今回紹介するのは、千早茜 氏の名作「しろがねの葉」です。

この本は第168回直木賞を受賞しており、生と死をテーマとした物語となっています。

内容としては、戦国末期の石見銀山を舞台とした小説で、全編が作者の千早茜氏のオリジナルストーリーです。また物語には途中で出雲阿国をモチーフとしたキャラクター「おくに」が登場したり、厳しい自然で生きる人々を再現したりと、創作でありながら当時の石見銀山を再現するかのような描写がされています。

千早茜氏は実際に石見銀山に足を運んで取材し、石見銀山の資料を読み込むなどしており、ここまで石見銀山の詳細を書くことができたのは、それらの取材の賜物といえます。

あらすじ・見どころ

冒頭でも紹介した通り、このストーリーは石見銀山を舞台とした、主人公の少女「ウメ」を中心に進行します。以下あらすじを簡単に紹介します。

家族が農村で盗みを働いたことが原因で囚われそうになったため家族のもとを離れたウメは石見銀山へたどり着き、生き残るための術を天才山師の喜兵衛から教わるうちに、そこで働く男たちと共に働きたいと思うようになります。

しかし、石見銀山の劣悪な環境や、次第に問題になっていく男女の性差がウメを阻みます。ウメはこれらの障壁を乗り越えることができるのでしょうか?

といった感じになります。

ウメが「どう生きるか」を考える場面や、周囲が男たちという環境で生活するストーリーは、本作一番の見どころだと思います。戦乱の世の石見銀山をたくましく生き抜くウメの姿をぜひご覧ください。

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